日本刀に込められた思いについて

日本の習俗には刀剣が関係するものも多いのです。例えば、守り刀というものがあります。これは武器というより宗教的意味合いの強い刀であり、あらゆる災難、厄から身を守ってくれるとされており、身に着けるか大事に保管しておくことが良いとされています。この守り刀とされていたという歴史は古く、平安時代 (794~1192年)の中ごろに記された 『栄花物語』には、 天皇が皇子・皇女の誕生に際して御剣を贈った旨を記されています。 この守り刀の習俗は鎌倉時代 (1185~1333年)には武家にも広まっていき、明治維新による武家政権終結後には民間にも広まり定着していきました。なお、皇室では天皇陛下による守り刀下賜を宮廷儀礼「賜剣の儀」として制定しており、受け継がれています。葬送儀礼でも守り刀は使用されています。遺骸の上に置く短万がその守り刀で、あらゆる魔性のモノから魂の抜けた遺骸を守っていると言われています。
刀剣は神道とも関係が深く、お祓いや神前に奉納する舞いなどにも使用されています。両者が結びついたのは、記紀神話に鍛冶の神が登場したり、滑らかな光沢をたたえた刀身が神の好む「清浄」を連想させるなど様々な理由によると言われています。現在も、祀り事や神社等で刀を持った舞いを目にすることも少なくないだろう。このような舞いには、昔からの刀に込められた強い思いが表現されているのでしょう。このため神社への刀剣奉納も、昔から盛んに行われてきました。奉納された刀剣を宝物館などで展示する神社も数多くあります。現在の日本では、武器として刀を使用することはないので、主に、守り刀としての意味で刀と関わっていることが多いかもしれません。実際に使用する機会は現在はないけれど、今でも昔のまま大切に受け継がれている刀の魅力を改めて考えてみると、日本の歴史においての刀の偉大さを実感できるでしょう。

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