刀を仕上げる

・荒仕上
ヤスリやセン(鋼を削るカンナの一種)で、刀の形を形を作っていきます。
火造りした後、センで刀の肌を削り、ヤスリで形を整え、砥石で場をならし、より刀に近づくように磨きます。
この段階で刃もできて、刀らしい輝きも見られます。

・土置き
焼き入れの前に焼刃土を塗ります。
(焼刃土は粘土に木炭などの粉や砥石の粉を混ぜてつくります)
そして、焼刃土を刃の部分には薄く塗り、鎬から棟の部分には厚く塗ります。
これは、次の焼き入れのときに、薄く塗った刃先の部分は急激に冷やされ、焼きが充分に入り、堅い鋼となります。
厚く塗った部分はゆっくり冷えるので、焼きがあまり入らず、粘りのある鋼となります。
また、焼きの入る刃の部分は膨張しますので、反りが生まれます。
日本刀独特の反りは、このような緻密な作業の元に生まれているのです。
ちなみに、この塗りの厚さの異なる境目に刃文ができますので、刃文の輪郭線は別に筆入れしたりします。

・焼き入れ
土置きをしたものを火炉(ほど)に入れ、加熱します。
焼き入れで大事なのは、加熱時の温度と冷やすときの水の温度です。
加熱が足りなければ焼き入れが充分に行われず、温度が高すぎると亀裂が入ることがあります。
また、冷やす水の温度が適正でないと、焼刃土を塗った特性が生かされず、きれいな反りができないことがあります
この冷やす水の温度は、刀の作られた土地や刀工により秘伝とされています。
通常、焼き入れは日没後に行われます。
これは、加熱時の刀身の温度を色で見ているからで、明るいとそれがわからないからです。

・合い取り
合い取りは、焼き戻しを行うことです。
焼き入れ後、遠火でゆっくりと140度~150度ぐらいまで加熱します。
これにより、刀身の腰を強くし、粘りを出して刃こぼれを防ぎます。
また、刀身の曲がりなどを微調整することもあります。

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